事前防災徹底のための緊急要請について

経済産業省素形材産業室からのご案内です。

 今月2日に設置された防災庁から各府省庁に対し、所管する企業・団体等における事前防災の徹底について、緊急要請がありました。

 我が国では、千島海溝地震、日本海溝地震、首都直下地震、南海トラフ地震、富士山噴火などの国難級の大規模災害の発生が懸念されています。政府では、産官学民のあらゆる力を結集し、事前防災を徹底するとともに、平時から発災時、復旧・復興までの一貫した災害対応の司令塔となる防災庁を11月2日に設置し、防災体制を強化しています。

 一方で、国家・社会の機能や経済活動を維持するためには、各分野の企業・団体の事業継続能力の向上が重要です。
 つきましては、事前防災を徹底するため、次の内容の実施をお願いいたします。

(1)事業継続計画(BCP)の策定、実効性の確保

① 企業防災の徹底
 企業防災では、従業員や顧客等の生命・身体を守ることを最優先とし、建物・設備等の被害を軽減する防災対策と、企業の重要事業の継続・早期復旧を図るBCPの取組を一体的に進めることが重要です。
人命の安全確保と建物・設備等の物的被害の軽減、二次災害の防止を図るための取組は、事業継続の基盤となるものです。
具体的には、
・ 建物の耐震診断、耐震化や設備・什器の転倒防止
・ 人命の安全確保(避難経路・救命救助)
・ 従業員等の安否確認体制の整備
・ 災害時の指揮命令体制の整備

・ 教育・訓練等の実施
・ 食料・飲料水、医薬品、トイレ等の備蓄
・ 二次被害防止(出火・落下・飛散・浸水)
等があげられます。
 各企業においては、これらの対策、実施状況を定期的に点検し、必要な対策を徹底していただきますようお願いいたします。

② 事業継続計画(BCP)の策定・実効性の確保
 災害等の不測の事態が発生した場合にも、企業の重要業務を継続し、または、中断した場合に可能な限り短期間で復旧するためには、その方針、体制、手順等を定めるBCPの策定・実効性の確保が必要です。
 政府は、BCP策定率を令和17年までに大企業で100%、中堅企業で80%とする目標を掲げているところですが、令和7年度調査では、大企業で75.8%、中堅企業で54.8%となっており、更なる策定の促進と実効性の向上に取り組んでいただくようお願いいたします。
 BCPの策定・見直しに当たっては、優先して継続・復旧する重要業務とその復旧時間・復旧水準の目標を定め、①経営中枢機能の代替手段の確保、②取引先等と連携したサプライチェーン全体の事業継続、③拠点の使用不能、要員不足、停電等の結果事象に着目した対応の検討を進めていただくようお願いいたします。

③ 中小企業・小規模事業者の事前防災対策
 中小企業・小規模事業者においては、経済産業省が実施している「事業継続力強化計画(簡易版BCP)」の認定制度を活用し、防災・減災の事前対策に取り組んでいただくようお願いいたします。
 また、事業継続力強化計画の策定が難しい場合でも、別添の防災診断シートをご活用いただき、まずは自社の災害リスクを把握し、棚の固定や重量物の落下防止等といった基本的な防災対策が講じられているかを自己点検することから始めていただくようお願いいたします。
 防災庁では、我が国の企業・組織の自主的な事業継続の取組を促し、ひいては我が国全体の事業継続能力の向上を実現することを目的として、業種、業態、規模を問わず全ての企業等を対象とし、事業継続ガイドラインを作成しております。
 各企業においては、本ガイドライン等を参照し、未策定の場合は早急にBCPを策定していただきますようお願いいたします。
 また、策定済みの企業においても、計画的なBCPに基づく対策の実施、教育・訓練、点検及び見直しを継続することで、事業継続マネジメント(BCM)に取り組み、BCPの実効性を高めていただきますようお願いいたします。

(2)帰宅困難者対策について
 首都圏を始めとする大都市圏等では、公共交通機関が運行を停止した場合、帰宅困難者が大量に発生するため、災害発生が見込まれる場合には、従業員に対して早期帰宅や出勤抑制の呼びかけを行うようお願いいたします。

 また、従業員等を一定期間事業所内にとどめておくことが可能となるよう、物資・資機材の備蓄をはじめとした必要な環境整備に努めるようお願いいたします。

<防災診断シートの提供>

 「備えが必要なのはわかっているが、何から始めればよいかわからない」。

そうした事業者でも自社の防災・減災対策を簡単に確認できる「防災診断シート」を共有いたします。

■防災診断シート(PDF形式:508KB)

 このシートは、地震、水害、風害、停電、断水、通信障害、感染症、サイバー攻撃の8つのリスクについて、基本的な備えができているかをチェックできる内容となっており、

例えば、

・棚・什器・機械設備等を固定していますか?
・事業所の想定浸水深を確認していますか?
・発電機等の代替電源を確保し、想定浸水深より高い場所に設置・保存していますか?
・重要なデータをバックアップしていますか?

など、具体的な項目に沿って確認することで、自社に不足している備えを把握し、事前防災に取り組むきっかけとしてご活用いただけます。